彷徨雑記

写真と、ことば

 

 

その家には小さな中庭があり、その中庭には小さな腰掛椅子があった。

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その椅子に腰かけると丁度、蔦のよく茂った隣家の窓から時折いっぴきの猫と目が合う。

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なんて惑わしい赤だろう、

さめざめと何を待っているのだろう

 

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小さなノートに記せと誰かが言っていた。例えばあなたが永遠に覗くことのできない彼女の背中にあるほくろについて。

 

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例えば飲んだサイダーの泡が小さくぱちぱちと音をたてながら私にあたらしい意識を与えうる退屈な午後について。

 

 

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時間という概念。概念という概念をわすれて水の中にふかく沈んだとき、底にみつける瞳のような渦について。

 

 

 

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